約 1,248,186 件
https://w.atwiki.jp/ryouohgakuen/pages/66.html
きょうちゃんの、お姉ちゃん1 きょうちゃんの、お姉ちゃん2 きょうちゃんの、お姉ちゃん3 きょうちゃんの、お姉ちゃん4
https://w.atwiki.jp/yuiui/pages/126.html
268 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2010/02/09(火) 21 53 58 ID 2IEigUIvO こんばんは、平沢憂です!今日は久しぶりにお姉ちゃんとお風呂です! …ですが恥ずかしくて、お姉ちゃんの体を直視できません…み、見たくないわけでは決してないんですが! 「憂、髪洗ってあげるね♪」 「う…うん」 「…やっぱり一緒に入るの嫌だった?さっきからあんまりしゃべんないねぇ」 「そ、そうじゃないの!ただ、その…恥ずかしくて。裸見たり、見られたりするの…」 「あはは、そっかー…私もちょっぴり恥ずかしいけど、憂と一緒に入れるのが嬉しいから気にならないよ?」 「お姉ちゃん…」 「ほれ、パパイヤ憂!」 シャンプーの泡でアフロみたいになった私の頭。それを見て、思わず吹き出してしまいます。 「ぷっ…もうお姉ちゃん、シャンプー付けすぎだよ?」 「えへへー、ついー♪そだ、じゃあ憂に分けてもらおーっと♪」 「ちゃんと新しいの使って平気だよ?今度は私が洗ってあげるから♪」 「わーい♪あ、そういえば憂、普通に私の体見てるね」 「えっ………///」 「ありゃ、また下向いちゃった…そんな恥ずかしがらなくていいのにー。私、おっぱいちっちゃいし……」 …ごめんお姉ちゃん、やっぱり私には、お姉ちゃんの裸は刺激が強すぎます…… 269 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2010/02/09(火) 21 54 45 ID 2IEigUIvO 「うーい♪今度は背中流してあげるっ」 「あ、ありがと…」 「ありゃ?スポンジ新しいの買ってあったの忘れちゃった…」 「あ、じゃあ取って…」 「いいよいいよ、風邪ひいちゃう!待ってて、いい方法があるから…」 「え…?」 お姉ちゃんは何を思ったのか、体を泡だらけにし始めました。そして… 「えいっ」 「ひゃぁっ…!?」 私の背中に抱きつきました。すべすべむにゅむにゅな柔らかい感触に、私の頭は沸騰寸前になります… 「な、ななななななにをすっ、すすすす…」 「背中流してあげるって言ったでしょ?スポンジないからこうして洗ってあげるよ♪」 「てて、手で洗えばいいんじゃないのかなぁっ!?」 「この方が早く洗えるんだよ!しかも私の体も洗えて一石二鳥!じゃあ洗うね?」 「そ、それはさすがに…ちょっ…」 お姉ちゃんは私の背中に体を擦り合わせました。 密着した二つの柔らかい膨らみがその形を歪ませるたび、私の心拍数は増していきます。 「えへへ、すべすべで気持ちいいー♪憂はどう?気持ちいい?」 「う…うぅ……うん……」 「あ、こっちも洗ってあげる!」 「え…」 お姉ちゃんは私の胸を手のひらで包みました。次の瞬間、私は―― 270 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2010/02/09(火) 22 00 20 ID 2IEigUIvO 2分後、私はお姉ちゃんの背中を洗っていました。…もちろん手で。 「ごめんね憂、さすがにいきなり掴んだらびっくりするよね…あんな悲鳴上げるとは思わなかったよ」 「う、ううん!いいの気にしてないから…」 「そう?ならいいけど…そういえば憂、さっき寒かったの?」 「え?な、なんで?」 「だってさっき憂の胸触った時、なんか硬くなっ…」 「なってないよお姉ちゃん!」 「え、ホント?」 「ほ、ホン…きゃっ?」 必死になっていた私は手が滑り体勢を崩して…お姉ちゃんの背中に覆い被さってしまいました。 「ご、ごごごめんねお姉ちゃん、私…」 「大丈夫だよー♪すべすべで気持ちいいしー♪」 「お、お姉…ちゃん…」 ぴったり密着した背中から伝わってくるお姉ちゃんの熱が、私の心臓の鼓動を再び速めていきます。 あ、なんか…お姉ちゃんの背中、気持ちいい… 「ん…?ほらぁ、やっぱり硬いのが当たって…」 「な…なってないよぉ!!」 終わり 俺は悪くないんです 皆の妄想をまとめたらこうなっただけなんです 280 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2010/02/10(水) 00 00 00 ID 2IEigUIvO 後日談… 律「…でさー、弟からかって一緒に風呂入るかって言ったら照れてんだぜ?面白いってなんの!」 澪「あんまりからかっちゃかわいそうだぞ?なぁ唯」 唯「そうだよりっちゃん、かわいそうだよ!」 律「唯は憂ちゃんと仲良しだからなぁ…最後に一緒に風呂入ったのいつだ?」 唯「え?昨日だよ?」 律澪梓「え……」 紬「唯ちゃん、今の話詳しく聞かせて!い、一体何があったの!?」 唯「髪洗ってあげたり背中流しっこしたり…別に変わったことなかったけど」 紬「で、でも体に何かしらの変化はあったんじゃないかしら!?例えば、ぬ…」 律「お、落ち着けムギ!何もないよな唯?ただ仲良く風呂入っただけだよな!」 唯「あ、そういえば…憂の胸を触ったり、背中に押し付けられたりしたんだけどね?」 律澪梓「なっ…」 紬「はぁはぁ……」 唯「その時にね、なんか硬い感触がしたんだ。変だよねー」 紬「ゆ、唯ちゃん、一体何が硬くなってたのかしら?」 唯「ち…」 梓「あー!あー!早く練習始めましょう!」 澪「そ、そうだな!」 律「今日は頑張るぞ!」 唯「うん…なんで皆顔真っ赤なの?」 紬「うふふ、憂ちゃんったら…今度ゆっくりお話聞かなくっちゃ♪」
https://w.atwiki.jp/anime_wiki/pages/15403.html
Blu-ray お姉ちゃんが来た Blu-ray・DVD発売日:3月22日 2013年1月TVアニメ!早くもBD DVDがキターッ! 父親が再婚して、変なお姉ちゃんができた朋也(13歳中学生)は、 そのお姉ちゃんの愛に困惑中! また、そのお姉ちゃん一香(17歳高校生)は困惑する朋也の表情もかわいいと言い、 写真を撮ったり、後をつけまわして学校などに行くのだが…。 ここを編集 2014年1月放送開始。 http //www.takeshobo.co.jp/sp/tv_oneechan/ 監督 夕澄慶英 原作 安西理晃 キャラクターデザイン 小田武士 美術監督 篠田邦宏 色彩設計 最相茂 撮影監督 板倉あゆみ 編集 柳圭介 編集助手 丸山流美 音響監督 森下広人 音響効果 和田俊也 録音調整 鈴木裕幸 録音助手 眞下のぞみ 音楽 羽鳥風画 アニメーション制作 C2C 脚本 高橋伸介 夕澄慶英 絵コンテ 夕澄慶英 いわもとやすお 齋藤徳明 演出 夕澄慶英 赤松康裕 作画監督 小田武士 西野文那 河野紘一郎 ■関連タイトル Blu-ray お姉ちゃんが来た Kindle版原作コミック 安西理晃/お姉ちゃんが来た 1 テーマソング Piece ラジオCD ラジオにまでお姉ちゃんが来た 原作コミック 安西理晃/お姉ちゃんが来た 1 rakuten_design= slide ;rakuten_affiliateId= 053df7e0.7c451bd1.0c852203.190c5695 ;rakuten_items= ctsmatch ;rakuten_genreId=0;rakuten_size= 468x160 ;rakuten_target= _blank ;rakuten_theme= gray ;rakuten_border= on ;rakuten_auto_mode= on ;rakuten_genre_title= off ;rakuten_recommend= on ; 随時更新! pixivFANBOX アニメ@wiki ご支援お待ちしています! ムック本&画集新刊/個人画集新刊/新作Blu-ray単巻/新作Blu-ray DVD-BOX アニメ原画集全リスト スタッフインタビューwebリンク集 最新登録アイテム Switch ゼルダの伝説 Tears of the Kingdom Switch 世界樹の迷宮Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ HD REMASTER Switch ピクミン 4 大友克洋 Animation AKIRA Layouts Key Frames 2 小説 機動戦士ガンダム 水星の魔女 1 ONE PIECE FILM REDデラックス・リミテッド・エディション 4K ULTRA HD Blu-ray Blu-ray 劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ 完全生産限定版 Blu-ray 映画『ゆるキャン△』 Blu-ray 【コレクターズ版】 Blu-ray ウマ娘 プリティーダービー 4th EVENT SPECIAL DREAMERS!! Blu-ray 天地無用!GXP パラダイス始動編 Blu-ray第1巻 特装版 天地無用!魎皇鬼 第伍期 Blu-ray SET 「GS美神」全話いっき見ブルーレイ Blu-ray ソードアート・オンライン -フルダイブ- メーカー特典:「イベントビジュアル使用A3クリアポスター」付 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 5th Live! 虹が咲く場所 Blu-ray Memorial BOX 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち Blu-ray BOX 特装限定版 地球へ… Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 神風怪盗ジャンヌ Complete Blu-ray BOX HUNTER×HUNTER ハンター試験編・ゾルディック家編Blu-ray BOX BLEACH Blu-ray Disc BOX 破面篇セレクション1+過去篇 完全生産限定版 MAZINGER THE MOVIE 1973-1976 4Kリマスター版 アニメ・ゲームのロゴデザイン シン・仮面ライダー 音楽集 テレビマガジン特別編集 仮面ライダー 完全版 EPISODE No.1~No.98 MOVIE リスアニ!Vol.50.5 ぼっち・ざ・ろっく!号デラックスエディション ヤマノススメ Next Summit アニメガイド おもいでビヨリ アニメ「魔入りました!入間くん」オフィシャルファンブック 『超時空要塞マクロス』パッケージアート集 CLAMP PREMIUM COLLECTION X 1 トーマの心臓 プレミアムエディション パズル ドラゴンズ 10th Anniversary Art Works はんざわかおり こみっくがーるず画集 ~あばばーさりー!~ あすぱら画集 すいみゃ Art Works trim polka-トリムポルカ- つぐもも裏 超!限界突破イラスト&激!すじ供養漫画集 開田裕治ウルトラマンシリーズ画集 井澤詩織1st写真集 mascotte 鬼頭明里写真集 my pace 内田真礼 1st photobook 「まあやドキ」 進藤あまね1st写真集 翠~Midori~ 声優 宮村優子 対談集 アスカライソジ 三石琴乃 ことのは 亀田祥倫アートワークス 100% 庵野秀明責任編集 仮面ライダー 資料写真集 1971-1973 金子雄司アニメーション背景美術画集 タローマン・クロニクル ラブライブ!サンシャイン!! Find Our 沼津~Aqoursのいる風景~ 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 友の会[復刻版] 梅津泰臣 KISS AND CRY 資料集 安彦良和 マイ・バック・ページズ 『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』編 氷川竜介 日本アニメの革新 歴史の転換点となった変化の構造分析 Blu-ray THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th Anniversary Celebration Animation ETERNITY MEMORIES Blu-ray おいら宇宙の探鉱夫 ブルーレイ版 Blu-ray 映画 バクテン!! 完全生産限定版 アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~ Blu-ray BOX 初回生産限定版 はたらく細胞 Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 Blu-ray 長靴をはいた猫 3作品収録 Blu-ray わんぱく王子の大蛇退治 Blu-ray 魔道祖師 完結編 完全生産限定版 魔道祖師Q Blu-ray Disc BOX 完全生産限定盤 にじよん あにめーしょん Blu-ray BOX 【特装限定版】 Blu-ray 鋼の錬金術師 完結編 プレミアム・エディション Blu-ray付き やはりゲームでも俺の青春ラブコメはまちがっている。完 限定版【同梱物】オリジナルアニメ Blu-ray「だから、思春期は終わらずに、青春は続いていく。」
https://w.atwiki.jp/yuiui/pages/53.html
664 私の自慢のお姉ちゃん [sage] 2009/11/07(土) 03 36 34 ID JWvWM6Fi それはとある休日、お姉ちゃんと一緒に押し入れの整理をしていた時のことでした。 憂「お姉ちゃーん、取れたー?」 唯「もう、ちょっと…ふぬぬ…取れた!」 お姉ちゃんが押し入れの奥から引きずり出したのは、埃だらけの段ボール箱だった。 その表面にはでかでかとマジックで、「唯とういのプリソト」と書かれている。 憂「…これ、お姉ちゃんが書いたの?」 唯「た、多分…あはは、私、昔は字下手だったなぁ」 憂「(あまり今と変わらないような…)そ、それはさておき早く整理しなくちゃね!」 ガムテープを剥がすと、中には小学校時代の私たちのプリントやテストの答案が入っていた。 もうかれこれ、小学校を卒業してから私は4年、お姉ちゃんは5年になる。いつの間にか、そんなになるんだな… 唯「ねえ憂、覚えてる?私が小5の時さ…」 憂「あぁ、覚えてる覚えてる!それでお姉ちゃん確か…」 昔のことを話すのはどうしてこんなに楽しいんだろう。 私とお姉ちゃんはすっかり作業を忘れて思い出話に浸るのだった。 665 私の自慢のお姉ちゃん [sage] 2009/11/07(土) 03 40 22 ID JWvWM6Fi 憂「それでさー…あ!お姉ちゃん、もうこんな時間!」 唯「ホントだ、すっかり話しこんじゃったね…ん?なんだろこれ」 憂「どうしたの?」 お姉ちゃんは段ボールから紙の束を取り出すと、しばらく黙ってそれを見つめていた。 なんの紙だろう?私はお姉ちゃんの手元をそっと覗いた。どうやら原稿用紙のようだ。 お姉ちゃんのかな…ふと用紙の隅に目をやると、そこには―― 『私の自慢のお姉ちゃん』6年2組 平沢憂 憂「あっ!?そ、それ…!」 それは、私が小六の時にコンクールで賞をもらった作文だった。 てっきり捨ててしまったのかと思ってたけど、まさかこんなところにあっただなんて…いや、そんなことよりも! 憂「お姉ちゃん!そ、それは読んじゃ…」 唯「……」 時すでに遅し…お姉ちゃんはすべて読み終えたのか、原稿用紙を閉じてしまった。 ど、どうしよう…何を書いたかは覚えてないけど、タイトルからして本人に読まれたらものすごく恥ずかしいものではあるはずだろうな… だからお姉ちゃんの目に触れないようしまいこんでおいたはずだったのに… 唯「憂…」 憂「お、お姉ちゃん、それは…その…」 唯「憂ーー!!」ガバッ 憂「!?」 666 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2009/11/07(土) 03 44 00 ID JWvWM6Fi お姉ちゃんは突然私に抱きついた。まさかの反応に、私は戸惑ってしまう。 憂「ど…どうしたのお姉ちゃん?」 唯「憂…私のこと、こんな風に書いててくれてたなんてうれしいよぉぉ!」 憂「え?な、なにが書いてあったの!?」 唯「えっとね…『私のお姉ちゃんは、いつも私のことをぎゅっと抱きしめて、とても幸せな気持ちにしてくれます。 私は、そんなお姉ちゃんのことが大好きです。私も一生懸命がんばって、お姉ちゃんのことを守ってあげたいです』だって」 顔から火が出る、というのはこんな感覚だろうか… 私は自分の顔が真っ赤になっていくのを感じていた。 憂「お…お姉ちゃん、それはね、あくまで小学校の頃子供心に書いたことで…」 唯「じゃあ、今は私のこと大好きじゃないの?」 憂「そ、そうじゃないけど…」 唯「ならなにも気にすることないよ!私も憂のことが大好きなのは変わらないし!」 憂「え…?う、うん…」 お姉ちゃんは力を込めて私をぎゅっと抱きしめた。 こうされると幸せな気持ちになれるのは、小学生の頃から変わらないや… 唯「憂ー、幸せ?」 憂「うん、幸せだよ」 唯「えへへ、私もだよー♪」 憂「そっか♪ねえ、お姉ちゃん…?」 667 私の自慢のお姉ちゃん [sage] 2009/11/07(土) 03 51 10 ID JWvWM6Fi 唯「なに?」 憂「私、これからもお姉ちゃんのこと…がんばって守ってあげるからね」 唯「ホントー?頼もしいなー」 憂「えへへー…でもお姉ちゃんもがんばらなきゃダメだよ?まずは、このプリントの整理から!」 唯「うへー…」 憂「終わったらアイスがあるから、がんばろうお姉ちゃん!」 唯「ホント!?よーし、がんばるぞー!」 憂「あはは…」 お姉ちゃんは、小学校の頃からあまり変わらないみたいだ。 そしてこれから先何年、何十年経っても、大きくは変わらないと思う。 ――ねえお姉ちゃん、私も一生懸命がんばるから…いつまでも、私の自慢のお姉ちゃんのままでいてね。 終わり 668 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2009/11/07(土) 03 54 25 ID JWvWM6Fi 以上です 656を見て思い付きました というわけで深夜に失礼 3レス目に名前欄にタイトル入れるの忘れてすみません
https://w.atwiki.jp/yuimio/pages/551.html
お姉ちゃんレシピ 『お姉ちゃんレシピ』 漠然とした不安ほど始末に負えないものはない。 いくら拭いてもぬぐい切れないガラスの曇りみたいなものだから。 ◇ ◆ ◇ 薄暗い部屋の中にいても、かすかに雨の滴りが聞こえてくる。 昨日までの春めいた陽気から一転して花冷えの一日だった。 まだ日が落ちるには間があるはずだけど、ひょっとしたらこれからも まだまだ降り続くのだろうか。 この家には今、部屋の主である唯と私の二人しかいない。 朝一番で訪問した私とすれ違うように、憂ちゃんは出かけて行ってしまったからだ。 「ちょっと梓ちゃんの所に遊びに行ってきます。夕方まで戻りませんから。 夕方までですよ。いいですね? ああそれから、あとで──」 出かけぎわにそんなことを笑顔で言われた。 まるで唯を自由にできるのは夕方まで、ときつく念を押されたような気もする。 というか、唯の引っ越しの手伝いに来たはずなのに、 ひょっとするとそれどころじゃないのかな、 という漠然とした不安が胸の奥から湧き上がって来たことを覚えている。 結果的にその不安は、最悪の形で現実のものとなってしまった。 それでも最小限の着替えとか、勉強道具の類を段ボールに詰めるまでは頑張ったんだ。 私だってその程度の常識はわきまえてるつもり。 まさか引っ越しの前日に、家で二人きりという状況を利用しちゃおう、 なんて浅ましい事はこれっぽっちも考えてなかったんだ。 だけど肝心の唯はそうじゃなかった。 いやそれでも最初のうちは、なんとか誘いを払いのけていたんだ。 だけど、まとわりつかれ言い寄られのしかかられ、 ほんわりした温もりや柔らかい囁きや細い指の感触や濡れた唇の湿り気に、 なけなしの理性もしだいに削り取られていき、 まあ結果的にはいつものような流れに──というわけだった。 それでも真っ白な虚脱感に身をゆだねながら、 頭の片隅で酷い罪悪の念を覚えていたのは間違いない。 普段ならともかく、明日は大学の寮に引っ越しという状況で私達、 いや私はなんでこんなことになってるのだろう。 二人で一枚の毛布にくるまって燃え尽き果てているという、なんてことに。 「澪ちゃん、澪ちゃん、澪ちゃぁん……」 半ば呆けた状態で私の身体に両手でしがみ付きながら、 まるで甘い睦言か呪詛のように唯が私の名前を呼び続けていた。 軽く左手で頭を撫でてそれに答える。 まるで小さな子供のようでもあり、それでいて私以上に大人びた女性のようでもあった。 安堵と諦観の混じる溜息が思わず私の口から洩れ出してしまう。 もちろん唯はああいう性格だから、その手の緊張感とは無縁だというくらい、 もう骨身にまで染みている。 何せ3年間の部活の付き合いだ。その上、3年生に至ってはクラスメイトに。 まして最後の半年は……まあそのなんだ、アレだったわけで。 人目を忍んでは無人の教室で、階段の踊り場で、校庭の片隅で、部室で、帰り道で、私の部屋で。 大学の受験も間近だという立場にありながら、まるで何かを恐れるように、 寸時を惜しんでだらだらと逢瀬を続けてしまっていた。 予備校の判定結果から判断する限り、唯の合格は半ば奇跡に近いと言ってもいい。 だからこそ、こんな時くらい私が率先して動かなければ、 永遠に引っ越しの準備が終わらないことくらいわかってたんだ。 なのにこの体たらく。 つくづく流されやすい自分の軟弱さに情けなさが込み上げてくる。 しかしそんな私と違って、唯は少しずつだけど、確実に成長を遂げていることも実は知っている。 たとえばギターの腕だってそう。 そりゃまあ技術的にはまだまだ梓にも及ばないけど、 もともと唯がまともにギターに触ったのが高校に入ってからということを考えれば、 驚くべき、いや恐るべき進歩だろう。 それに『Y&I』だって。 いくら憂ちゃんが絡んでいるとはいえ、あの詩は素晴らしく感動的だ。 唯の想いがこれでもかというくらい詰まってる。 間違いなく『ふわふわ時間』と並んで私たちのバンド「放課後ティータイム」 を代表するナンバーに違いない。 それに比べてこの私のなんと情けないことだろうか。 相変わらず引っ込み思案だし、人見知りだし、心配性だし。 高校生活の3年間でもそういう点は少しも進歩していないのだ。 私は唯の側にいる資格があるのだろうか。 いずれさらに美しく成長していく彼女の側にいる、資格が。 もし私が唯のお荷物になってしまったら。そう思うと、怖くて怖くてたまらない。 「どしたの、澪ちゃん。震えてるよ。それに……ちょっと痛いかも」 「あ……ご、ごめん」 ふと気づくと、訝しげな表情を浮かべた唯が私のことを見上げていた。 いつの間にか彼女の事を力任せに抱き締めてしまっていたらしい。 謝りながら両の手の力を緩める。すると今度は、 「そうだ、忘れてた。憂から澪ちゃんにって、預かってたものがあるんだった」 そう言うなり、緩めた私の手をすり抜けて自分の机へと飛んでいく。 そういえば別れ際に憂ちゃんがそんなことを言っていたっけ。 ──ああそれから、あとで澪さんへ渡すようにって、 ──お姉ちゃんに頼んだものがあるんです。 ──必ず読んでくださいね。必ずですよ? それにしても何一つ隠すもののない状態でそんなことをやらかす所はまだまだ子どもだなあ。 とはいえやはり認めざるをえない。 そのシルエットが夏休みの頃と比べて一段と女らしくなっていることに。 さまざまな変化の中でも何より彼女自身が、特にこの半年ほどで確実に変化を遂げて始めている。 少女から大人へ。まるでつぼみが綻び花開くように、確実に女性としての魅力を備えはじめていた。 もっとも普段の言動がアレだから、まだ気づいてる人は少ないだろうけど。 いやひょっとすると本人すら自覚がないかも知れない。 だけど高校最後の半年間を、ある意味誰よりも近い距離で過ごしてきた私には、 文字通りその変化を手に取るように感じていた。 明日からは私達はひとつ屋根の下で暮らすことになる。 たとえ部屋は別々でも、夜中の距離は限りなく近い。 いや待てよ。ひょっとして私が望めば、毎晩だって不可能じゃないかも知れない。 だけど唯と私は学部が違う。もう同じクラスにはなれない。昼間の距離は限りなく遠い。 ──大丈夫だよ。 どういうわけか、最初の学祭コンサートの時に見せてくれた、 唯のひまわりみたいな笑顔が脳裏に浮かんだ。 初めて『ふわふわ時間』の歌詞を褒めてくれた唯。 合宿で滝のような花火をバックにギターをかかえてはしゃぐ唯。 そして何よりも、私の大きい手と長い指を好きだと言ってくれる唯。 それらを思い出してもなお、漠然とした不安を拭い去ることはできなかった。 これからもちゃんとやっていけるのだろうか、私と、唯は。 「大丈夫だよー」 「……へ?」 いつの間にか、憂ちゃんからの預かり物を探してはずの唯の顔が、目の前に出現していた。 あまりにも自分の思考に深く埋没していて、彼女の動きを把握することも忘れてしまっていたらしい。 「朝だってちゃんと起きてー」 「そっからしてまず心配なんだが」 「一人で勉強だってちゃんとするしー」 「ホントに? 唯が? 一人で大学の勉強をする?」 「まあその、ちょこーっと澪ちゃんや和ちゃんに手伝ってもらうかも知れないけど……」 「いやだから私だって学部違うし、和に至っては別の大学だし」 「……あー、大丈夫だよ……多分」 わずかに唯の笑顔が引きつる。だめだ。 朝起こすくらいならまだしも、その他のフォローとなると心もとない。 こんな事でホントに大丈夫なんだろうか。 「ねえ澪ちゃん、私のコト、好き?」 「何を今さら」 よほど私の顔色が悪かったのだろうか。 まるで目の中を覗き込むようにしながら、唯が硬い表情を浮かべてそんな質問を投げかけてくる。 「大抵のことはやっていけると思うんだけど、一番心配なのは、澪ちゃんに見捨てられちゃうこと」 「え……っ?」 「だって澪ちゃん美人だし、可愛いし、人気出そうだし、私なんかどんくさくて、いっつも迷惑ばかりかけてるし……」 そのまま言葉に詰まり、しゅーんとなってしまう。 「そ、そんなことないぞっ」 あわてて私は語気を強めながら答えた。 そうとも。こんな時こそ、むしろ私の方がしっかりしなくちゃ。 「唯といっしょなら、私はいつだって楽しいから。絶対見捨てるなんてことないから」 「ホントにー?」 「ああ、本当だって」 「そっか。よかったー」 そんなやり取りを交わすと、心底安心したような笑みを撒き散らしながら、 再び唯は探し物を見つけ出す作業へと戻っていった。 唯たちと同じ大学に進路を変えたのだって、本来は彼女の側に少しでも長くいたいから、 という気持ちがあったからだ。今さらそれを隠そうとは思わない。 だけどその選択が正しいものだったのか、私は再び迷い始めていた。 確かに合格した頃は喜びでいっぱいだった。 唯が女子寮に入ると言い出した時は正直天にも昇る心持だった。 彼女と同じ屋根の下で暮らせる。そう考えただけで心が躍ったものだ。 しかしそれも一過性の盛り上がりにすぎず、むしろ最近は危惧のほうが重くのしかかってしまっている。 今の所はまだ、唯の危なっかしい所を支えているのが私だという自負は、 少なからず持っているつもりだ。 しかしこのまま彼女だけがさらに変化をとげ、私だけが置いて行かれてしまったら。 逆に私が足を引っ張ることになってしまったら。 それでなくても大学は未知の世界だ。 これまでのように先生の言う事を聞いて良い子でいれば成績が取れるわけじゃない。 そして四年後にはイヤでも社会に出ていかなければいかなくなる。 言ってみれば、私たちに残された最後の猶予期間。 その間にもしも、私だけが取り残されてしまったとしたら……。 そんな取りとめのないことを考えていた時のことだった。 ようやく「あったー」と唯が歓喜の声を上げたのは。 「やっと見つけた。これだよ、憂から預かってたんだ。澪ちゃんに渡してくれって」 そう言われ手渡されたのは、表紙に『澪さんへ』と簡潔に書かれた1冊のくたびれたノートだった。 半身を起こし、一枚一枚ページをめくっていく。憂ちゃんの意図を訝しみながら。 ノートの内容はある意味、宝の山だった。 たとえば唯の好きな料理の作り方の数々だったり。 服や音楽、小物類やアクセサリーの好みだとか。 たとえば季節ごとの彼女の過ごし方だとか。 または遠い昔の頃の思い出話だとか。 果てはご機嫌の治し方に至るまで。 知ってることも少なからずあったけど、まるで初耳だったこともたくさん書かれていた。 おそらくそれは憂ちゃんが唯のために尽くしてきた過去のほんの一部なのだろうけど、 それらがいかにも彼女の性格らしい几帳面な文字でびっしりと綴られている。 あまりの情報量に目まいを起こしそう。 要するにこのノートは唯そのもののレシピなのだ。 彼女を喜ばせるために、憂ちゃんが文字通り心血を注いで作り上げてくれたレシピ。 そしてノートの最後は、こんな一文で締めくくられていた。 ──お姉ちゃんのこと、くれぐれも、くれぐれも、よろしくお願いいたします。 バカな私はこれを読んで、ようやくノートを託した憂ちゃんの気持ちを理解することができた。 彼女は、世界で一番大切な姉のことを、この私に任せてくれたんだってことに。 私はノートの中身を唯にも読ませた。 最初は笑顔で、途中から真顔に、そして最後はポロポロと大粒の涙を流しながら、 それでも彼女は最後まで読み切った。まるでそれが姉として責務であるかのように。 「澪ちゃん。私たち、幸せになろうね、絶対」 「ああ、そうだな」 そっとノートをベッドサイドに置いてから、唯は無言で私に抱きついてきた。 そんな彼女の身体を私はそっと包み込むように抱き締める。 今こそ彼女の温もりと想いを全身全霊で受け止めなければ。 同時に自分自身の胸にも熱い想いがこみ上げてくるのを感じていた。 気が付くと、いつの間にか雨が止んだらしく、室内が再び明るさを取り戻していた。 心なしか気温まで少し上がったような気もする。 まるで私たちへ本格的な春の訪れを告げているみたいだ。 暗い不安に満ちた過去から、希望の光が差し込む未来への道筋を感じさせてくれるかのように。 たとえ道ならぬ恋だったとしても。 私たちの気持ちがちゃんと通じて合っていて。 それどころか応援してくれる人までいるなんて。 なにより憂ちゃんが教えてくれたのだ。 大切な姉の全てを託してくれることによって。 決して私たちは孤独じゃないってこと。 できすぎなくらいに幸運なのだと。 ほんの少しだけ、思える。 大学生活、寮生活、唯との生活。 不安もあるけど、それ以上の楽しいことも待ち受けているに違いない。 まるで唯の思考パターンが乗り移ったみたいだけど、 今の私にはそんな希望に満ちた未来予想を、驚くほどすんなり受け入れることができた。 この憂ちゃんのノート、唯への想いで溢れている、お姉ちゃんレシピによって── ◇ ◆ ◇ 私は唯のことが大好きで。 きっと唯も私のことが大好きで。 何よりこの気持ちを宝物みたいに感じられる。 それはとても大切な事に違いない。 とても幸運な事に違いない。 だけど不安がないと言えば嘘になる。 自信があると言えば嘘になる。 それでも唯のことが世界で一番大切だと信じられるなら。 不安も。 自信のなさも。 全て満面の笑顔で包み込むことができる。 だって好きになってしまったから。 だって愛してしまったから。 だから唯が望む限り、ずっと側に居ても、いいよね? (おしまい) ※前作「秋色のとばりに」 初出:5.75- 111- 117, 124- 130 名前 コメント すべてのコメントを見る 戻る TOP
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/2808.html
autolink() CL/WE07-21 カード名:“お姉ちゃん”杏 カテゴリ:キャラクター 色:赤 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:1000 ソウル:1 特徴:《双子》?・《スポーツ》? 【永】あなたのストックが4枚以上なら、このカードは次の能力を得る。「【自】このカードがリバースした時、このカードのバトル相手のコストが0以下なら、あなたはそのキャラをリバースしてよい。」 N 椋にも声かけとくから、後でどっか面白いとこに連れてってよ! P 私と勝負よ! レアリティ:C illust.- 10/05/19 今日のカード。 新しいタイプの相打ち持ち。 ストックを溜める必要があるが、コスト0以下であるためレベル1でも相打ちできる。それどころか、レベル10以上に育ったレベル応援付きの凸凹コンビ 涼&夢子(パワー23000以上)相手だろうが容赦なく相打ちが取れる。反面、0/1/4500バニラなどにはあっさりやられてしまう。 レベル0相手なら既存のレベル0相打ちの方が使いやすいため、上の理由も含めて主な活躍の場はレベル1帯になるだろう。 特徴として汎用性の高い《スポーツ》?が付いたが、こちらの杏は「お姉ちゃん」という名前が付いたためか《双子》?が優先されたようで《委員長》?は付いていない。 ・関連ページ 「杏」?
https://w.atwiki.jp/anka_yuyuyu/pages/31.html
基本 妹が大好きで兄が嫌い 真面目な時は真面目だが、妹に甘いタイプ なので兄同様交流は物凄く簡単 妹が大事ゆえ、お役目関連は一切伝えないことが吉かもしれない 伝えても良いが、そのあとの言動次第では大変なことになる 選択肢(注意:画像が開きます) お姉ちゃん交流1スレ目:未交流
https://w.atwiki.jp/dericashi/pages/32.html
お姉ちゃん「は」処女だと思う ルンゲ名言セレクション(硫化鉄妹編)から抜粋。 ちなみに今は姉も処女ではない(と思われる)。 以下発見したソースらしきもの。適当に貼り付けておくんで誰かまとめといて。 自分の恋愛遍歴を惜しげもなく晒すスレ http //www.i-love-you.gr.jp/test/read.cgi/loung/1010673233/ 6 名前:硫化鉄ver.6.9☆[] 投稿日:2002/01/10(木) 23 38 脳内彼氏っつーか マンガマンセー12年間 晒すもんは同じく無い 9 名前:ハッピーにゅーイヤー名無したん[] 投稿日:2002/01/10(木) 23 39 6 姉ちゃん晒せ 11 名前:硫化鉄ver.6.9☆[] 投稿日:2002/01/10(木) 23 45 姉ちゃん 女17歳 付き合ったのは2か3人。 今はフリー。 ヤった事はなさそう。カンだけど。 (´ー`)兄ラウンジの皆さん自己紹介して下さい http //www.i-love-you.gr.jp/test/read.cgi/loung/1009800297/ 42 名前:硫化鉄☆[] 投稿日:2001/12/31(月) 23 20 ◆名前 @硫化鉄☆ (いい加減他の名前にしようかな) ◆性別 @女 ◆年齢 @12 ◆誕生日@3月31日 ◆血液型@A型 ◆いつから兄ちゃんねるにいるか@10月くらい? ◆セクース歴@なっしん ◆兄ちゃんねるを一言でいうと@たまにせつない ◆好きな固定@バ㌍タ以外で私を好きになってくれる人 ◆微妙だと思う固定@兄さん 姉ちゃんはコンビニの廃棄で腹を壊しました トイレから苦しそうな歌声が聞こえます 57 名前:硫化鉄ver.6.9☆[] 投稿日:2001/12/31(月) 23 35 トイレから歌が聞こえる姉ちゃんの紹介 「だきしめーたいーとーきにーつたえよーおとーしてーもー」 ↑ 今聞こえる歌。w-indsのパラドックス(だっけ?) ◆名前 硫化鉄ver.6.9★ ◆性別 ♀ ◆年齢 確か17(高2) ◆誕生日 10月1日 ◆血液型 A型 ◆いつから兄ちゃんねるにいるか 初日から ◆セクース歴 無いんじゃない? ◆兄ちゃんねるを一言でいうと 夜更かしの元・肌荒れの元・寝坊の元 ◆好きな固定 泉君カコイイって言ってた ◆微妙だと思う固定 誰だか忘れたけどうざいって言ってた 「やみのなかもがいてーひっしでひっかいてー こどくーというーなーのーにーげーみーちーを」 ↑ 今歌ってる唄。正直知らない。
https://w.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/63.html
姉さんとお姉ちゃん 第1話
https://w.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/535.html
624 お姉ちゃんの独り言 sage 2008/08/03(日) 10 54 35 ID Om8d2l/T 秋冬は同年代と比べても、よく眠る方だ。 幼い頃から秋冬は、一度眠ると滅多なことでは起きない程、睡眠が深い子供であったが、あくまで平均してよく眠る程度の話だった。 けれども、姉である玉恵が感染した奇病、変異性フェイスチェンジモンスター症候群(通称FCM症候群)を治すために使った力。 別種である秋冬だけが持つ力の使用が、さらに秋冬の睡眠時間の増長を後押ししてしまった。 自分の命を他人に分け与える能力。あらゆる生命に気力と活力を与え、傷すら完治させる奇跡の力。 けれども、その力を使用するとき、その分の代償を払わなくてはならない。大いなる力には、大いなる責任が伴うものなのだ。 別種が持つ力の使用時間は、平均でも20分が限界とされている。20分程度なら肉体に疲労感が残る程度で、負担はそう重くないからだ。 30分を過ぎると肉体への負担と疲労が大きくなり、気絶してしまうこともあるのだ。 そのため、肉体の疲労を考慮して、普通は一回使ったら十分に休息を取るのが大原則だ。 しかし、秋冬は姉のために毎日力を使った。限界とされる20分を超え、毎日1時間近く力を使い続けたのだ。 結果、秋冬自身に後遺症が残り、場所、時間、関係なしに突然、肉体が休息を求めるようになってしまったのだ。 それはスーパーの帰り道でも例外ではない。 まだ5時を回った辺りだとか、隣に玉恵が居るとか、歩いているとか、秋冬には関係なかった。 「シュウちゃん、眠いの?」 「…………うん…」 自然と首がうつらうつらと船を漕ぐ。重力に負けそうになる目蓋に力を入れて我慢しようとするけど、睡眠という甘美な世界に抗うには心許ない。 いつもなら一定の高さを漂っているのに、不規則に上昇したり下降したり、安定していなかったあたり、眠気を堪えることで手一杯なのだろう。 それを見た玉恵は、素早く秋冬が持っていたスーパーの袋を取り上げる。そして、秋冬の前で背を向けて腕を軽く広げた。 「それじゃ、はい、お~んぶ」 「………いい…よ……」 「何言っているの、ふらふらじゃない。危なっかしくて見ていられません。大人しくおんぶされなさい」 既に眠気も我慢の限界に達しようとしていた秋冬に、断ることは出来なかった。 625 お姉ちゃんの独り言 sage 2008/08/03(日) 10 55 29 ID Om8d2l/T できるかぎり体重をかけないように、玉恵の腕と腰の間に両足を通し、首に腕を回し、背中に抱きつくようにして体重を預けた。 「……おも……な…い……?」 「私が元FCM症候群だってこと忘れてない? ベンチプレス記録450kgは伊達ではありません。 全然重くないですよ~、軽すぎて心配しちゃうくらいだよ」 「……お……すみ…」 そこまでが秋冬の限界だった。秋冬の意識は夢の世界へ旅立ち、脳は休眠を取った。 「……お休みなさい、シュウちゃん」 だから気づけなかった。 玉恵が、首に回していた秋冬の手を掴み、さりげなく自分の乳房を掴むように動かしていたことに。 秋冬の手が玉恵の乳房を服の上から掴んだとき、玉恵は、はっきりと快楽のため息を溢した事に、秋冬は気づけなかった。 626 お姉ちゃんの独り言 sage 2008/08/03(日) 10 56 39 ID Om8d2l/T 誰も居なくなった夕方の住宅街。玉恵は秋冬をおんぶしたまま、帰路に付いていた。 夕陽が秋冬と玉恵の横顔を照らす。細くて長い影は、二人の体が触れ合うことで、一つの大きな影になる。 騒ぐ子供達の喧騒も静まり、お母様方の井戸端会議も終わりを告げる昼と夜の境目。 子供達は全員家に帰り、母親達は夕食の準備に追われ、家路に帰る父親達や、学校帰りの子供達が帰ってくるまでの、ほんの僅かな時間帯。 玉恵は、この時間がたとえようもなく好きだった。 耳を掠めるそよ風と、背中に背負う愛しい者の体温。伝わる鼓動と、かすかな寝息が、とても好きだった。 ちらりと、玉恵は視線を自分の胸に向ける。 そこには、背後から伸ばされた愛しい者の手が、自分の胸を鷲?みしている不思議な光景だった。 けれども、嫌悪感は全く無かった。 それどこか、震えるくらいの多幸感があった。 この時間が永遠に続けばいい。玉恵はこの時間が訪れるたびに、強く願う。 秋冬と私、二人で永遠を生きる。 頬をくすぐるそよ風と、時々聞こえる虫の声。 愛する人と、二人きり。 「あ、玉恵さん、今お帰りですか」 今日も秋冬、とっても可愛かったな。 「……また、秋冬君……ですか」 私の作ったお弁当を美味しそうに食べているときの表情なんて、涎ものだったわ。 「俺が言うのもなんだけど、あんまり秋冬君を甘や」 もう、五月蝿いハエだわ。 背中に抱えている秋冬を起こさないように、ハエの居るほうに蹴りを放つ。 トマトが潰れるような、水風船が破裂するような、嫌に耳に残る音が辺りに響いた。 「おっと……ごめんね、シュウちゃん。早くお家に帰ってゆっくりしようね」 秋冬を抱えなおす。 ギュッ、と、秋冬の手が、玉恵の胸を強く握る。 雷鳴のように快感が胸を中心に、全身へと広がる。 「んん……お姉ちゃん…」 秋冬がポツリと寝言を立てた。 「…………………………」 玉恵は言葉を返すことが出来なかった。というより、出来なかった。 耳から入る、天然の麻薬。それが耳奥の鼓膜を愛撫し、三半規管を舐め上げ、大脳を蕩かす。 どんな麻薬よりも甘美な麻薬。それを脳に直接送り込まれてしまったら、玉恵ですらどうしようもない。というより、抵抗するつもりもない。 「~~~~~~~~!!!」 全身に広がる甘い痺れが、玉恵の子宮を揺らし、精神を蝕む程の快楽となって増幅される。 膣壁が伸縮を繰り返し、止めどなく愛液を吐き出す。ジットリと湿っていく下着の感触を覚えながら、淫らなダンスを踊る。 決して秋冬を起こさないように気をつけながらも、静かに、言葉無く絶頂に達した。